S.H

さいたまSH221 JJ1VAGのブログです。ただのログです。

1アマに挑戦した動機(受験記)

1アマを目指した動機について触れてみたいと思います。

 

アマチュア無線の存在を知ったのは中学生の時だったと思います。

親御さんの影響でアマチュア無線を楽しむ同級生がいたと記憶しています。

 

アマチュア無線の楽しみを知ることもなく社会人になりました。

仕事ですこし電波をかじっていましたが、特に無線にときめくこともなく過ごしておりました。

 

28歳の頃、同僚に紹介してもらったDJ-X8のワイドバンドレシーバーで航空無線を聴いていましたが、いつしかそれっきりタンスの肥やしになってしまいました。

 

時は経ちまして37歳の時にディスカバリーチャンネルのゴールドラッシュというアラスカで採金をする番組を観ました。重機を扱いながら仲間と交信する映像に魅せられてYouTubeで無線の動画を見てからというもの毎晩無線について調べるようになりました。

 

そこで入手したのはデジタル簡易無線(DPR-6)でした。

1週間程で申請が終わり、初めてのQSO記念日は2017.11.24となりました。

しばらくはライセンスフリー無線で遊んでおりました。

毎晩毎晩リグが加熱するまで遊んでおりました。

 

余裕で100kmを超えるデジタル簡易無線に驚きました😁

 

ある時、いつもの公園で楽しく無線を運用していたところ、ママさんと小学校低学年の子供さんがやってきまして、アマチュア無線4級の試験に落ちてしまったことを聞きました。

ママさんは子供さんにお兄さん(私)に無線を教えてもらってもう一回試験を受けよう!

と言っておられました。

 

その時にアマチュア無線に関して何も教えてあげることができないことに気がつきました。

交信して楽しむだけでは勿体無い。

スポラディックE層や太陽黒点、ダクトといった自然環境を相手にした地球規模の遊びなんです。と、そこで言えなかった。

まさに交信するだけの初歩の初歩でした。

 

今度あの小学生に会ったら無線の魅力を語れるようになりたい。と思いましたので一生懸命に勉強しようと思いました。

 

そこで書店に行って買ったのが1アマの合格精選400題でした。

 

ズブの素人が参考書も買わずにいきなり1アマの練習問題を買うんですから今思うととてもブッ飛んでますね。2018年10月のことです。

 

ほとんどチンプンカンプンで当然理解できるわけもなく時は過ぎていきました。

2019年の1月になりましてOMさんからアマの講習会の枠が空いている話がでました。

 

締め切り日が迫っていましたので、とりあえず申し込んでみました。

2019年2月10〜11日にかけてアマチュア無線4級の講習会を受講することになりました。

 

小学生から60代の方まで幅広い年齢層のなかで受ける授業はとても楽しかったです。

講習会はかなり楽しいよと事前に聞いていたのですが、実際には期待よりも数倍楽しかったと思います。

なによりもすでにデジタル簡易無線を運用していたこともあり、電波の伝搬について貪欲に知識の取得に努めました。

 

ネットで終了試験の合格を確認した後、すぐに3級の受講を希望しました。

2019年2月27日のことです。

巣鴨までいき、また楽しい受講をさせてもらいました。

 

さて、資格はとったものの、すぐ無線機を購入して運用しようという気が起きませんでした。

今でも何故その気が起きなかったのか全くわかりません。恐らく最初から1アマ に照準を定めていたからなのでしょうか。

 

どうしてももっと深く学びたいという気持ちが強くなってきていました。

 

1アマの受験を8月期に定めました。

試しに6月に1陸特を受験して流れに乗ることにしました。

 

試験慣れしていないこともあり、1陸特のテキストばかりやっていたことから本番で見たこともない難しい問題が出ましたが、なんとかギリギリのラインで合格をすることが出来ました。

過去問を全く見ることなく受験する危険性に気づくべきでした。

 

1陸特の勉強にあたって1アマの問題をある程度見ていたので格段に簡単に見えました。

実は1陸特から最初にはいると心が折れていたかもしれないな。と思うことも何度かありました。

最初に基準を高くしておいたほうが心理的に良いかもしれません。

特に1アマの勉強で複素数に手こずっていたのに1陸特では複素数が全くでないのでそれだけでも容易な試験だなという感覚がありました。(実際は難しい試験だと思います)

 

 

さて、1陸特に合格して1アマ8月期に向けて良い調子で勉強したところでしたが、思わぬ誤算がありました。

1陸特でテキスト中心の勉強をして合格したために、1アマでも同様にテキスト中心で勉強しておりました。ところが、本番3日前に過去問をネットで見たところ、手も足も出ないことに気がつきました。無線工学も法規も本番ではレベルが格段に高いという事実をたったの3日前に知ってしまったのです。

 

それでも諦めずに猛勉強して本番の令和元年8月25日には何とかなりそうな予感がしていました。

 

実際に受験会場で午前の法規から試験をうけて、かなり難易度が上がったと実感しました。

恐らくは合格点がとれたような感触だったので、午後の無線工学もなんとかなると思っていました。

 

しかし、世の中はそんなに甘くなかったです。

無線工学の試験が終わってあまりの出来なさすぎに落胆すら起きないくらいでした。悔しさを通り越してしまった諦めの境地とはこんなものなのかと思えるくらい虚無の感覚でした。

 

その時に痛感したのは、自分は得意分野と苦手分野が明確になっていないことでした。

テーマごとの問題パターンを横断的に勉強していないため、少し問題の出し方を変えられると対応できないようになっていました。

 

また、過去問対策が圧倒的に大切だと思いました。テキストは恐らく最新の問題に対応できていないので自分で過去問を解いて傾向を掴めないと1アマの試験に合格できないと思いました。

 

この頃は1アマに合格していないくせに1陸技のテキストを入手しました。恐らく1陸技の問題が1アマに降りてきていると思ったからです。

 

1アマ攻略に向けて楽しくなってきました。

 

令和元年8月期の試験を終え、合格していないことは明白でしたから12月期の試験に向けてすぐにでも取り掛かろうという気持ちが

強くありました。

そうはいっても仕事をしながらの受験ですから勉強時間の確保はなかなか難しかったです。

 

8月期の試験問題(会場で配られた問題を持ち帰ったもの)はいつも持ち歩いていました。

空き時間があるといつも8月期の問題を忘れないように解いていました。(といっても1問2問程度)

それくらい自分にとって苦手問題のオンパレードだったのです。

 

特にスーパーヘテロダインについては何度やっても頭に定着していないことがわかったので今度は分類ごとに攻略することにしました。

 

http://www.gxk.jp/elec/musen/1ama/

 

幸いこちらのサイトで分類ごとに問題が区分されているので12月期にむけての試験はほぼ携帯とタブレットを活用して問題を解くことになりました。

勉強方法はひたすら苦手な分野の類似問題を横断的に解く。ただそれだけです。

もしそれが一回目からできていれば、合格したかもしれませんが、1陸特でテキスト中心の勉強でなんとかなったのが災いでした。

 

本気で令和元年12月期に向けて取り組もうとした矢先に仕事の関係で1ヶ月程全く勉強できない期間がありました。

 

試験日は令和元年12月7日でしたが、試験勉強を再開できたのは11月19日でした。

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本番まで時間がないことが明白でしたので効率よく横断的に勉強するしかありませんでした。逆にそれがよかったかもしれません。

 

勉強時間の確保は朝5時に起きて1時間 昼休みに1時間  夜子供が寝てから1〜2時間を目安にしました。

ほぼ過去問ばかり解いているのでやればやるほど安心感が出てきました。

 

問題ばかり解いていたよりも諸先輩方の合格体験談を読んでモチベーションを上げるのも楽しみの一つでした。

勉強が乗らない時はひたすら同じ体験談を何度も読んでいたと思います。

 

そこで気になったのは成功体験談は多いのですが失敗体験談は少ないので失敗体験談のほうが価値があるのかもしれないと思いました。

 

さて、12月期の受験を控えてかなりナーバスになっていたと思いますが、横断的な勉強に変えてかなり弱点を克服できている気もしていました。なんとかなるのではないかという気持ちも多少ありました。

 

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8月期の不合格通知を壁に飾り毎日眺めておりました。私は単なる成功よりも失敗を克服した成功が好きなんです。

 

令和元年12月期も8月期に劣らないくらい難しい問題が出ました。

一見8月期よりも易しそうにみえるのですが、解答を確実に選びきれないために試験終了後も合格の手応えがありませんでした。

 

試験の帰り道下手したら落ちるなと肩を落としてふらっと居酒屋に入り、日本酒を飲みながら涙を流しておりました。

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簡単に合格できる時代の1アマはよかったと思う反面、一番難しい問題を攻略する気持ちがなくて1アマになるのはいかがなものかという逡巡でもあったのでしょうか😅

試験直後の感触は合格:不合格=4:6

くらいの感じでした。試験費用よりもトータルで投資した300時間近くの戻ってこない時間に対して情けないなぁという気持ちが強かったと思います。

まぁやることはやったしあとは結果を待つのみという状態でした。

 

結果的になんとか無事に合格することができました。点数は工学119/150でした。

合格ラインが105点なのでギリギリ。

全ての緊張から解放された瞬間はとても気持ち良かったです。

令和元年12月期に1アマを受け、1ヶ月後の1陸技に合格された方の点数が無線工学125点だったように記憶していますので、かなり試験の難易度が上がっているような気がしました。

 

まずは無線工学の1枚目の問題4問がほぼ初見問題なので4問×5点=20点失います。

トータルで9問しか間違えれないため、ここで4問失うのは相当な痛手です。

 

残り5問を守り切るためには過去問をほぼパーフェクトにしておかなくてはいけません。

残りの正答率は80%が求められます。

 

それでもミスはありますから結果的に合格点スレスレになりました。

 

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勉強で使ったメモ用紙の束

 


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合格にむけて作成したマンダラート

 

試験後、掲示板等に「今回は余裕だったな」とか書かれてありますが、ここ最近で余裕の試験はありませんので余計な情報に流されないで欲しいと思います。

最近の試験を真剣に受けた人の口からは絶対に簡単な問題だったとは言えないと思います。

 

あの受験会場で試験を解いた人は自分のやってきたことが発揮されたかどうか苦悶し、終わった後に放心したあげく試験結果が出るまで悶絶する苦しみを味わいます。

 

そんな人は簡単に試験が簡単だったと言えるわけありません。

 

1アマはそれだけだけ努力する価値のある試験ですので是非果敢にチャレンジしてほしいと思います。